CASEOFMAJORDOCTOR

専攻医の事例・指導医の声

CASE

戸口田 究也

学生・初期研修生へのメッセージ

数多くの外傷患者を受け入れる三次救急病院に指定されている宇治徳洲会病院での整形外科研修は、豊富な症例と素晴らしい上級医に巡り合うことができます。レジデントにも多くの執刀の機会があり、救急初期対応を含め、重症外傷患者に対する治療を学ぶことができます。また、肩や股の人工関節、脊椎の手術も多数行われており、幅広い整形外科疾患をみることができます。その分ハードにはなりますが、研修先としてはふさわしいのではないでしょうか。

上林 嘉孝

学生・初期研修生へのメッセージ

宇治徳洲会病院は、京都府南部の山城北医療圏に位置し、救命救急センターの指定を受けた地域の中核病院です。救急病院なので外傷が多く、基本的な四肢の骨折は勿論ですがさらに3次救急であるため、脊髄損傷・骨盤損傷・多発骨折など、重症外傷の症例は多岐にわたり、症例が豊富なため専攻医が研修するには最適な環境であると思います。
また、脊椎や関節の変性疾患の症例もあり、知見を広めることが出来ます。

朴 泰輝

京滋災害整形プログラムを開始しての感想

私は大学病院での1年間の研修の後、市中病院での3年間の研修を終えました。市中病院での3年間の研修は外傷を中心としたものになります。市中病院での初めの年は、救急外来、手術、外来といった各現場で手も足も出ない日々が続きましたが、3年という研修を積み重ねると各現場で自身の役割を果たすことが出来るようになり、一般的な外傷に対して対応が可能になりました。

学生・初期研修生へのメッセージ

整形外科は早い段階から自分のパフォーマンスを発揮できるやりがいのある分野であると思います。初期は出来ないことが山積みですが、早くから手術を任され経験を積むと診断から治療まで自分の力で遂行することが出来るようになります。私も3年間の研修を経てそれを実感することが出来ています。皆様が整形外科の分野で活躍される事を願っております。

弘部 頌

京滋災害整形プログラムを開始しての感想

自分は機能再建及び明確なADL改善に魅力を感じ滋賀医科大学整形外科医局の門戸をたたきました。その過程で正常解剖及び各組織機能への理解は必須であると思われ、外傷治療において年間200件程度の手術症例を通して損傷した骨・軟部組織の扱い方を存分に学べたことは強靭なバックボーンとなってくれていると日々感じています。

学生・初期研修生へのメッセージ

外傷治療は整形外科全般の疾患を扱う上で必要な解剖学的な知見および組織の扱いを学ぶ絶好のチャンスでありながら、治療完了した時の患者さんたちからの感謝の言葉も多くADL改善に携わっている実感などがひとしお身に沁みます。決して楽な分野ではありませんがそこには学び研修する価値が非常に多く存在するのではないでしょうか。

影井 祐介

京滋災害整形プログラムを開始しての感想

宇治徳洲会病院での初期研修ローテート中、整形外科専攻医の先生方がバリバリ執刀されている姿を目の当たりにしていました。救命救急センターには様々な外傷患者が搬送され、初期対応から手術プランの立て方、実際の手術手技、後療法について、指導医の先生方に相談しながら一つひとつ勉強する日々を経て、できることが少しずつ増えていく実感を得ることができました。

学生・初期研修生へのメッセージ

骨折・脱臼等の外傷は、整形外科医として一般的に経験する分野ではありますが、高度な知識・技術を擁する「外傷整形外科医」はまだまだ少ないのが現状です。整形外科は運動器疾患全般を扱いますが、特に救急医療や外傷治療に興味がある方にとっては、非常に魅力的なプログラムと言えます。

西野 智至

京滋災害整形プログラムを開始しての感想

私自身は本プログラムの病院の幾つかで研修させていただきましたが、外傷や整形外科の救急疾患を特に充実して学ぶことができるのが特徴かと思われます。外傷や救急疾患は全身の骨、軟部組織を対象とし、整形外科の多くのサブスペシャリティーともオーバーラップしており、その対応力を向上させることは、言い換えれば整形外科医としての総合力を向上させることです。

学生・初期研修生へのメッセージ

整形外科医としての総合力は、どのサブスペシャリティーに進むにしても基礎となる重要なものであり、その向上に本プログラムは極めて有用です。ただ、一般の病院よりは多忙な関連病院が多いので、軽い気持ちでの応募は個人的にはあまりお勧め致しません。より高い能力を求めるのであれば、当然、人より努力する必要があります。

MESSAGE

湘南鎌倉総合病院 外傷センター長

土田 芳彦

京滋救急災害整形プログラムで学べること

当院は断らない救急を理念に365日24時間体制で救急対応をしており、昨年度は16,321件の救急車、救急外来ウォークイン受診は29,902件を受け入れました。このような救急を断らない救命救急センターを併設する当科においても、関節内骨折から一般骨折をはじめ、重度四肢損傷(四肢挫滅損傷、神経・血管損傷、軟部組織欠損、開放骨折)など、件数にして2,200件の手術を行いました。救急現場のこれらの症例、とりわけ重度四肢損傷を治療するには「血管を知り」、「骨・関節を知り」、「軟部組織を知ること」が重要ですが、四肢外傷の救命・機能再建・社会復帰を目指した手術からリハビリまでを一貫管理する当科の外傷治療システムにてこれらに触れ経験し、今後の目指すべき道を自身へアプローチしてみてください。

指導にあたり

当科の一日はカンファレンスから始まります。担当主治医はセンター長へ症例提示し、事前評価を得てから術前カンファでのプレゼン、この場では上級医やスタッフが垣根を超えての適切な分析+治療戦略のディスカッションをし、術後プレゼンでは報告と自己分析への指導が行われます。骨折治療から、切断指接合・血行再建・皮弁形成、さらに偽関節、変形治癒骨折等の難治性骨折合併症治療など1例1例、緻密に検討をし、センター長および上級スタッフ管理下での執刀・外来フォロー、そしてこれらの過程は記録に残します。毎日のカンファレンスにはリハビリ、手術室スタッフも参加し、手術治療~リハビリまでの一貫した治療システムのチーム医療を通して、最短・最善の治療過程の経験を得ることが可能です。

学生・初期研修生へのメッセージ

良き治療技術を習得するために多くの勉強会セミナーが開催されていますが、実診療を通しての習得には遠く及びません。私共はER、専有手術室5室、専有リハビリ室、病棟を配置する外傷・救命救急センターを2022年春より運用します。この集約した専用治療体制にて、「学習」「実践」「習得」の場をこの度提供できることを喜ばしく思い、共に学び考える皆さんを心から歓迎致します。

札幌徳洲会病院 副院長/整形外科外傷センター長

倉田 佳明 

京滋救急災害整形プログラムで学べること

当院は救急医療に注力しており、整形外科外傷症例を多く治療しています。一般的な骨折はもちろんのこと、重度関節内骨折や寛骨臼骨折といった難しい骨折手術、マイクロサージャリー技術を必要とする切断指(肢)再接合や皮弁術なども精力的に行っています。重度開放骨折などにおいては、骨折は整形外科医、軟部組織再建は形成外科医と分担して治療にあたる施設が多いですが、当院ではorthoplastic surgeonとして、骨折も軟部組織再建も当センターの医師が、一貫して治療にあたっています。京滋救急災害整形プログラムでは、連携施設である当院にて外傷症例を多く経験して頂きたいと考えています。

指導にあたり

外傷患者の診療にあたっては、初療から確定的手術、その後のリハビリテーションといった一連の治療を、シームレスに且つ高いレベルで行うことが重要です。当センターでは毎朝、理学療法士・作業療法士も参加するカンファレンスを行い、議論のうえ治療方針が決定されます。カンファレンスに参加することで治療の思考過程を学ぶことができますし、また症例提示を通じて、プレゼンテーション能力を磨くこともできます。手術にも積極的に参加して頂き、基本的な手術に関しては、指導医のもと執刀も担当して頂きます。当センターで研修した先生方は、豊富な症例を通じ、知識・技術を身につけることができていると思います。

学生・初期研修生へのメッセージ

当院は整形外科専門研修プログラムのⅡ型基幹施設として認定されていることもあり、専攻医の受け入れ態勢を整えています。専攻医の存在は、我々指導医にとっても刺激になりますし、「教えることは学ぶこと」と言われるとおり、我々の勉強にもなります。
整形外科の基本である「外傷」に興味を持っている皆さんと、一緒に仕事できることを楽しみにしています。

仙台徳洲会病院 副院長(整形外科)

井上 尚美

京滋救急災害整形プログラムで学べること

当院は、常勤医3名(整形外科専門医3名)と非常勤医師の応援を得て診療に当たっています。コロナの影響で例年より入院制限がありましたが、2021年(1月から12月)の手術件数は、530件でした。そのうち364例(大腿骨近位部骨折、上腕骨近位部骨折に対する人工骨頭置換術を含む)が骨折治療で、常勤医3名で対応しています。当院では、四肢骨折治療の診断と適切な治療方法について研修することができます。

指導にあたり

当院は、宮城県内でも救急車の応需率が高く、骨折治療の基本から専門まで研修できる施設です。整形外科の研修では、診断から治療計画、治療とその後の経過(治療成績)まで一連を経験することが重要と考えています。多くの症例(骨折)を経験できるように配慮します。

学生・初期研修生へのメッセージ

整形外科医にとって骨折の診断と治療は日常診療で対処しなければならない領域であり,適切な治療法が選択されることが望ましいことは言うまでもありません。骨折治療の基本的な知識と診断、治療法(保存的治療、手術的治療)を学んでおくことは、将来他の整形外科専門医になる先生にとっても、大切なことだと思います。当院ではcommon fractureを中心に四肢骨折の診断と適切な治療を経験できます。また、近年高齢者の関節近傍骨折も多くなり、骨脆弱例に対しては、骨接合術を行っても良い結果が得られない場合があります。このような症例に対して人工関節置換術の技術は有用です。

滋賀医科大学医学部附属病院 副病院長

今井 晋二

京滋救急災害整形プログラムで学べること

京滋救急災害整形プログラムは運動器疾患全般に関して、必要な臨床能力および実践能力を備えた医師を育成し、国民の運動器の健康に貢献することを理念とします。整形外科全般を網羅するには、災害整形外科以外に骨肉腫などの悪性腫瘍、先天性疾患を含む小児整形外科、手術治療を成功させるために必須とも言えるリハビリテーションは、大学病院以外では習得しづらい分野です。
例えば、近年の骨肉腫医療では、多職種多診療科による集学的治療がスタンダードです。診断後は速やかに血液内科で、のちの骨髄移植の為にHLA組織型を評価します。次に女性科で卵巣を腹腔鏡下に摘出し、温存します。小児科もしくは血液内科で強力な化学療法を行い、必要なら骨髄移植を行います。その後、整形外科での腫瘍摘出と患肢温存術を行います。このような大学病院でしか、経験できない分野の研修が、当院での京滋救急災害整形プログラムの特徴です。

指導にあたり

重度な四肢外傷に対する機能再建型の外科です。外傷初期治療後の速やかな機能再建術が治療の主体になります。重度四肢外傷治療においてはマイクロサージャリーを駆使した治療が求められます。滋賀医科大学整形外科では、マイクロサージャリー班が、腫瘍再建を行っています。重度四肢外傷治療に重要なマイクロサージャリー分野を研修できます。

学生・初期研修生へのメッセージ

滋賀医大では無論、整形外科専門医に必要なすべての分野を研修できますが、本京滋救急災害整形専門研修プログラムでは、特にリハビリテーションの研修を担っています。救急災害整形では外傷治療に特化した整形外科医が緊急手術を含め受傷早期から治療を開始し、そして手術後は速やかに機能回復を目的としたリハビリテーションを実施しなければなりません。滋賀医科大学整形外科では、専門的なリハビリテーションが研修できます。

宇治徳洲会病院 副院長

徳山 良之

京滋救急災害整形プログラムで学べること

当院は外傷症例を診ることが多く、早い段階から手術にも携わることが可能です。一般外来や救急対応を実際に行うことで、はじめは戸惑うこともあるかもしれませんが、実践から多くの経験を得ることができます。困った際は周りの上級医がサポートしますし、手術症例は全例カンファレンスで検討を行います。治療に対する考え方が医師によって異なる場合は、意見を出し合い、幅広い選択肢の中から治療法を決定しています。みんなでベストを決める環境だと言えるでしょう。

指導にあたり

救急病院であるため骨折などの外傷の症例の割合が多いが脊椎や関節などの変性疾患の治療まで幅広く行っております。また、ハイブリッドER(CTや血管撮影が可能な救急外来に設置された手術室)や放射線治療や高気圧酸素療法などの希少な設備もあります。常勤医師は2022年4月から整形外科専門医4名と後期研修医3名となります。また、滋賀医大の教授や准教授などの非常勤医師による専門外来も行っております。

学生・初期研修生へのメッセージ

手術件数は人数の割に多く執刀の機会に恵まれています。整形外科救急の研修は365日24時間常に上級医がオンコールで指導する体制をとっております。また、当院は1次から3次救急まで受け入れており、単純な骨折から脊髄損傷や骨盤骨折や多発外傷など重度の外傷症例や菌血症性ショックを伴う重度の四肢体幹の感染症の研修も可能です。後期研修でぜひ経験しておきたい症例が豊富にあります。