PROGRAM

京阪滋整形外科専門研修
プログラム

京阪滋整形外科専門研修プログラムの目標と特徴

スポーツ整形を介して広く国民健康と健康寿命の延伸に貢献する

整形外科専門医は、質の高い運動器医療を提供することが求められます。このため整形外科専門 医制度は、医師として必要な臨床能力および運動器疾患全般に関して、基本的・応用的・実践能力 を備えた医師を育成し、国民の運動器の健全な発育と健康維持に貢献することを理念としていま す。整形外科専門医は、生活習慣や災害、スポーツ活動によって発生する運動器疾患と障害の発生予防と診療に関する能力を備えなければなりません。特に人口の高齢化と生活様式の多様化で、スポーツ整形外科の担う領域は、拡大の一途にあります。特に、国民の運動器の健全な発育と健康維持を目標としたスポーツ整形外科は、最終的には社会が求める健康寿命の延伸を目標とします。

京阪滋整形外科専門研修プログラムの基幹研修病院である多根総合病院整形外科は、オリックスバファローズが本拠地を置く京セラドームに隣接しています。多根総合病院整形外科では肩関節・肘関節の障害、肩・肘スポーツ障害を診療する「肩・肘・スポーツ外来」とスポーツに関わる障害を体幹、下肢も含めて診療する「スポーツ外来」を行っています。整形外科スタッフは、オリックスバファローズチームドクター、堺ブレイザーズチームドクター、NTTドコモ ラグビー レッドハリケーンズチームドクターとしてプロフェッショナルレベルのスポーツ整形を実践しています。また、週1回の非常勤ではありますが、横浜DeNaベイスターズ・関東学院大学ラグビー部のチームドクターに就任されている横浜南共済病院整形外科山崎哲也医師が臨床指導に来られています。

京阪滋整形外科専門研修プログラムは、基幹病院である多根総合病院と滋賀医科大学整形外科およびその関連病院の中でも大阪府、南京都の前期研修指定病院群が参加しています。その分布は、ほぼ高速道路沿線で考えると理解しやすいです。すなわち多根総合病院は、阪神高速環状線にあり、そこから第二京阪に入り枚方学研都市に国家公務員共済組合枚方公済病院があります。さらに京都に向かうと京都岡本記念病院、宇治徳洲会病院があります。第二京阪から阪神高速京都線に入ると、蘇生会総合病院、医仁会武田総合病院があります。高速道路でどの病院へも1時間以内で引っ越しせず、通勤可能」です。

研修方法

基本方針

多根総合病院(大阪、基幹施設)および主に京都の連携施設群において研修を行います。小児や腫瘍など特殊分野の単位習得には滋賀医科大学整形外科でも研修可能です。研修実績の記録と評価には、日本整形外科学会整形外科専門医管理システムを用います。専攻医は、各研修領域終了時および研修施設移動時に日本整形外科学会が作成したカリキュラム成績表の自己評価欄に行動目標毎の自己評価 を行います。また指導医評価表で指導体制、研修環境に対する評価を行います。 研修実績と評価をもとに、専門研修最終年度の 3 月に研修プログラム管理委員会において、専門研修修了判定を行います。このプログラムおよび専門研修プログラム管理委員会は、サイトビジットを含む第3 者の評価・指導を受けます。

研修計画

整形外科の研修で経験すべき疾患・病態は、骨、軟骨、筋、靱帯、神経などの運動器官を形成するすべての組織の疾病・外傷・加齢変性です。また新生児、 小児、学童から成人、高齢者まで全ての年齢層が対象となり、その内容は多様 です。
この多様な疾患に対する専門技能を研修するために、整形外科専門研修 は 1ヶ月の研修を 1 単位とする単位制をとり、全カリキュラムを1. 脊椎、2. 上肢・手、3. 下肢、4. 外傷、5. リウマチ、6. スポーツ、7. 小児、8. 腫瘍、9. リハビリテーション、10. 地域医療の 10 の研修領域に分割し、専攻医が基幹病院および連携病院をローテーションすることで、それぞれの領域で定められた修得単位数以上を修得し、流動の5単位を含めて、3年9か月間で 45単位を修得します。

ローテーション

本プログラムの連携施設は 7施設からなります。
5施設とは、多根総合病院、京都岡本記念病院、宇治徳洲会病院、医仁会武田総合病院、滋賀医科大学医学部附属病院、枚方公済病院、蘇生会総合病院です。
研修ローテ-ション、研修スケジュール、専門研修施設、各施設の指導医とその指導分野を以下に示します。整形外科の現場における研修方法の要点については、整形外科専攻医研修マニュアル(日本整形外科学会ホームページ)を参照して下さい。

医療機関 1年目前半 1年目後半 2年目 3年目 4年目
多根総合病院 専攻医1 専攻医1 専攻医2(6ヶ月) 専攻医2
京都岡本記念病院 専攻医2 専攻医1(6ヶ月)
宇治徳洲会病院 専攻医2(6ヶ月) 専攻医1
医仁会武田総合病院 専攻医2 専攻医2(6ヶ月) 専攻医1
滋賀医科大学医学部付属病院 専攻医1(6ヶ月) 専攻医2(6ヶ月)

多根総合病院
部長

永井 宏和 

当プログラムで学べること

当院は救急の受け入れが多く整形外傷疾患に早い段階から携わることが可能です。また積極的に手術の執刀を経験させており、実践から多くの経験を得ることができます。はじめは戸惑うことが多いかもしれませんが、周りの上級医がサポートします。当院では関節鏡手術を積極的に行っており、低侵襲な手術を心がけています。またトップアスリートを含めたスポーツ整形も行っており、その診療を学ぶことができます。

指導にあたり

まずは手術に多く携わってもらい、少しでも多くの症例を経験してもらいます。しかし手術はリスクが伴うので、安全に手術ができるよう上級医の指導の元で必ず行われる環境づくりをしております。手術症例は全例カンファレンスで検討を行います。医師によって治療に対する考え方が異なる場合があり、意見を出し合うことで幅広い選択肢を学ぶことができ、質の高い治療へ繋げていけると考えています。

学生・初期研修生へのメッセージ

整形外科医の仕事として手術だけでなく外来も大切な仕事です。まずは診断ができる整形外科医になりましょう。診断、治療が難しい方も来られます。辛い経験もきっとあります。でも体当たりで患者と向き合い、日々研鑽することで多く患者の役に立てると考えています。少しでも多くの笑顔をもらえる整形外科医になれるよう一緒に勉強していきましょう。